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ソロ「ねぇ、オルヴォ。ポッキーって言うお菓子があるの知ってる?」
オルヴォ「…。知らねぇ。」
ソロ「棒状の焼き菓子にチョコレートがついてるんだよ。11月11日は『1』を棒状のポッキーに見立てて『ポッキーの日』って言うらしいね。」
オルヴォ「へぇ~…」
目の前にはブランデーグラスにチョコの部分を下にして置かれたポッキーのグラス。
グラスに出したのはただの菓子にしない酒の席に合わせた演出なのだろう。
ソロ「でね、ポッキーを使ったゲームって言うのも在るんだ。
ポッキーの端と端をくわえて、かじっていくの。で、先に離した方が負け。」
オルヴォ「……ポッキーって言うのは、人間の食い物だろ?」
ソロ「まぁね。」
オルヴォ「そのゲームとやらも人間のお遊びなんだろうが。」
くだらない、と吐き捨てて、言い過ぎたかな、とバツが悪くなり、ソログープから敢えて眼を反らす。
ソロ「そう言うと思った。」
ニコニコと普段と変わらない様子で言うと、ソログープはポッキーを摘まんで口許に運んだ。
軽い音とともに、チョコの香りが漂う。
オルヴォ「……」
隣に座るソログープの肩に手をおき、向き直らせると、オルヴォはソログープが持っていた方のポッキーを口に含んだ。
サクサク…とかじって行き、最終的に唇同士が触れあって歯が当たり、それ以上かじれなくなったところでようやく離れた。
ソロ「…チョコ、付いちゃった。」
そう言ってソログープはオルヴォの口許を指で拭う。
オルヴォ「…。これって面白れぇか?」
ソロ「ハハ…、そうでもないかな。」
(本当は唇が触らないようにドキドキしながらやる所が面白いんだけどね。)
ソロ「私は普通のキスが好きだよ。」
オルヴォ「そうだな…。」
求めるように眼を伏せるソログープに、オルヴォは唇を重ねた。
Fin.
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