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ソロ「でも、一瞬とても扇情的にさせられるような眼をしていましたよ?」
何を考えてらしたのでしょう?
オルヴォ「…」
自分の眼を覗き込んでくるソログープをじとりと睨み、差し出されたグラスを受けとる。
ソロ「誰かと一緒に過ごしたくなりました?」
オルヴォ「…別に。」
(こいつはどこまで解ってるんだ…)
ソロ「私で良ければ一緒にいて差し上げたいのですが…ね。」
珍しく、と言うか、意外にも言いよどむソログープに眉を潜める。
オルヴォ「?…何だよ?」
ソロ「…いえ、少々特殊な体をしていますので。」
オルヴォ「…??」
ソログープの言わんとしている事がわからず、「はっきり言えよ。」と促す。
ソロ「はい。…オルヴォ様、『両性具有』と言うのはご存知でしょうか?」
オルヴォ「まぁ。確か雄と雌が一緒になってるって言う…、……。」
ん?
と言うことは…
つまり…
ソロ「私は『それ』なのです。ですから、それが嫌だと仰られてしまうと…」
オルヴォ「男??!!」
ソロ「いえ…、ですが厳密に言えば半分正解です。」
オルヴォは改めてソログープ見た。
細めな輪郭、女性らしいしなやかな体つき、白い肌。
柔らかく艶を帯びた声色。
何より漂ってくる香りも女のそれだった。
オルヴォ「にわかには信じがたいな…。」
呟くオルヴォにソログープはクスリと小さく笑うと、自らの身体に手を当てる。
ソロ「そうでしょうね。…それとも、試してみますか?」
オルヴォ「…いや、遠慮しとく。」
ソロ「それは残念。」
冗談なのか本気なのかわからない様子でソログープは言う。
オルヴォ「さっきはちょっとヤキが回ってたんだよ。今は旨い酒とアンタがいれば良い。」
ソロ「左様ですか。」
然り気無く肩に回されていた手の事には触れず、ソログープは微笑むとオルヴォの身体に身を預けていた。
Fin.
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