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宿直明けの翌日は出社不要。
本来なら惰眠を貪っていても良いはずだ。しかし、習慣というものは恐ろしいもので、やはり同じ時間に目が覚める。
彼でいうなら、だいたいいつも6時起床だ。
これは仕事があろうとなかろうと関係ない。
しかも、彼の場合は、彼のスケジュールそのものをちゃんと把握している連中がいる。
ダイニングの絨毯の上で、腹の上にそれぞれタオルケット1枚抱えて寝惚けている、大学時代の悪友らの酒盛りの後を横目にして、彼は浅いため息をつきながら廊下を抜け、まだ朝もやの中の街へ出る。
30分のジョキング。
40代で始めた習慣だが、すっかり定着した。
今ではこれをしないと、一日が始まる気がしないくらいである。
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