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走りながら、いろいろな頭の中の整理もできる。
動くことと、思考の整理は案外に相性が良いのだ。
……一巡りして家に戻ると、外のさわやかな風に慣れた体には、家の中の酒臭さがことのほか鼻についた。
まだ悪友どもは爆睡中だが、なに、かまうものか。
彼は家じゅうの窓という窓を開け放つ。
大いびきで寝惚けている友人たちが、小さく唸りながら家の中を通過していくさわやかな外気に、自分たちのタオルケットをそれぞれ体へ巻き付けなおしていくのが面白い(それでも目は醒まさない)。
炊飯器のスイッチを入れて、自分はそのままシャワーを浴びに行く。
夜のうちに米を洗って、朝方食べられるよう用意しておくのは、彼が世帯持ちになる前からの習慣だ。
どれだけ疲れ切っていようと、これだけはやっておかないと、次の日の朝が迎えられないような気持ちにさせられる。
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