「暗い夢」サイトシリーズ② 「M」 - 7

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「暗い夢」サイトシリーズ② 「M」 - 7

私立谷川大学の映画研究会の集会が、あるファミレスで行われていた。 「鏡二、あのバイト受かったらカメラどれ持っていく?」 「三人とも同じグループで面接受けたけど、三人とも受かるとは思えないなぁ。」 「てか、カメラ持込ダメって言ってたじゃん。」 「いや、そこは新型の奴買ったから気づかれずに持ち込めるぜ。」 谷川大学の三年生の海名剛、笹塚千草、舞野鏡二だけで構成されるのが映画研究会だった。 「俺、バイト代が魅力でさぁ。一人でもいきてーんだ。」 「鏡二、三人全員が受かってない場合は辞退する約束だろ」 「鏡二、あんた、絶対三人でいい映像作品残してから就職活動始めるって言ってたじゃん。あれは嘘だったの!?」 「そりゃ、言ったけどよぉ。」 「いい作品も残さずに引退とか中途半端やってたら、就職活動もうまくいかないよ!」 「まーた鏡二がダラけてやがる。去年の学祭でボコボコに叩かれたからなぁ。鏡二の書いたシナリオがありきたりのクソ以下って。」 もう四年生は引退しており、映画研究会は今では彼ら三人だけになってしまった。 去年はこの三人だけで映像作品を作り、恋愛映画を撮影したのだがどこかテレビ放映されているドラマに似通った描写や設定が多く、かろうじて見に来てくれた観客たちから酷評される始末だった。 観客が勝手に映像を撮影してネットに投稿し、ネットユーザーからも笑いものにされたことも堪えていた。 今年こそはと奮起していたものの、まだどんなシナリオにするか考えてない。 そんな時、面白そうな奥地の山村の祭運営スタッフサポート募集のバイトを見つけたので、何とかバイト先の村で祭りを撮影して何かの映像作品を撮りたいと思っていた。 その給料がかなりいいのもある。 いや、それが本命のようなものだが。
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