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ミーンミーンと鳴く蝉だけを聞くとまだまだ夏、という感じがする。
そして夏と言ったら『プール』や『夏祭り』、『花火』などなどいろんなイベントがある。
『夏休み』もそのイベントの一つ。だが残念。
今の暦は9月。夏休みは終わり、学生たちには2学期が始まる学校生活が待っている。
夏休み抜けができずダラダラしてる者や
夏休みの宿題が終わらず最後まで足掻いてる者、
夏休みの宿題など完璧に終わらせ余裕がある者などいろんな人がいる中、
部活動をしている者は夏休みの間も部活に勤しんでいた。
バレー部もまた然り。
休み返上で大会などに向け、只ひたすらボールを追う日々であった。
そして始業式当日にもかかわらず朝から気合いを入れて部活動に励むバレー部。
体育館にはバッシュの擦れるシューズ音やバレーボールが床に叩きつけられるバシィイィィンッ!!という音、
部員の掛け声などが絶えず響いている。
だが、そろそろ切り上げなければ始業式の前の朝のHRに間に合わなくなる。
なんせ片付けやら着替えやらをしなくてはならないのだから。
だからと言って始業式だから授業がなく早めに終わり、
部活が早めにできるとしても片付けに手を抜くことはない。
せっせと片付けに励む中、1年の間で話に花が咲き始める。
もちろん手は止まることはない。
大きな声で会話を始めたのは1年の田中龍之介と西谷夕だ。
この2人はムードメーカーで気が合うようで基本セットで行動している。
2人の会話の内容は『バレー』と『潔子先輩と胡蝶先輩の美しさについて』だった。
潔子先輩と胡蝶先輩とは、バレー部のマネージャーである清水潔子と満月胡蝶のことである。
最初はバレーのことを話していた。
「今日のスパイクイマイチだった。
だから、部活の時はさらに気合いを入れる!」と田中が意気込み、
「旭さんのスパイクを拾ったはいいが、うまく上がらなかった!
次はあげる!!!!」など闘志に燃えていた。
「やるぞー!!」という西谷に対し「おー!!!」と拳を高々にし叫ぶ田中。
今年の1年は元気ありありだなぁと頼もしそうに眺めていた2、3年だった。
だが、清水と満月の話題になった瞬間の2人の変わりように、笑顔が苦笑いに変わることになった。
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