一億円

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 …………ふたりがつながってる…………?  あり得ない話じゃない。  僕の信頼なんてどうでもよくなるくらいのメリットがあるのだから。  なら、今の電話にも何か理由があるのか?  確認……?  何の?  いや、そもそもふたりがつながってるなら、僕に連絡する必要はないはずだ。  いやいや、僕を油断させるためとは考えられないか……?  ────……………… 「……っと。ちょっとどうしたの?  鍵開けないの?」 「ん? ああ、ちょっとぼーっとしてた」  いつの間にか、今日のデートは終わってた。  どんな映画を見たか、何を食べたかも、覚えてない。  ま、そんなのはこの際重要じゃない。  ……そういえば今日、優奈は僕のアパートの鍵を持って来てなかったな。  む? 僕と出かけるときは落とさないように持って来ないって言ってた気もするが、どうだったろう。  ちょっと曖昧だな……。  問い詰めて、僕が変化に気付いてるのを悟らせるのも愚策か……。  ────っ??!!!  部屋に入って感じたのは、小さな違和感。
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