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『だってもヘチマもない。』
私の言い訳がましい悪意は私が勝手に辛さを紛らわすために思い込んでいるだけ。
大きく育っても食べるとこなんて少ない無価値なヘチマと同じようなもの。
いやそもそも私自身が『ヘチマ』のようなものですから、しようがない。
そんな取るに足らない、『何でも無い存在』なのです。
「ああ、日傘の姉ちゃんだ!」
もうカラスが泣くから帰りを推奨される夕方。彼氏である江野君の代わりに、彼の弟を学校から彼の家に送りに行く事にしました。校門から私が覗くとなにやら緑の太いものを持って走ってくる小さな子供。
それが江野君の弟でした。
取るに足らず価値の無い私。
価値が無いので私はこうして誰かの役に立つ事をして、価値を作るしかありません。
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