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夏の廊下は教室に比べて風通しがよく、さほど悪い環境ではなかった。そこに背を壁にくっつけ反省のいろを見せる少年が二人…。
この沈黙の空気に耐えきれなくなったのか海が喋り始めた。
「ねぇ…空君。」
「空でいいよ。」
立たされながらも眠りそうだった空は首を大きく横に振り返事をした。
「空ってチョップ派?それともマンデー派?」
「うーん、どっちかって言うとチョップかなぁ!特に『鉄魂』が面白い!」
「あれはかなり面白いよね!笑いありだし感動ありだし!」
「しかもアレに出てくるペットのゴリラってなんか後李に似てない?」
「言えてる!鼻を伸ばした時の顔とかもうそっくりだよ!」
「はっはっ!やっぱそう思うよな!」
話が弾みどんどんテンションが上がってくる二人。
そんな中、海がこんな質問をした。
「そういえばさ、空はなんか部活やんないの?」
「…で後李がさぁ。」
「やんないの?」
《キーンコーンカーンコーン…》
「あっ、授業終わった。」
「……」
熱血教師もようやく二人を許し空と海は廊下から解放された。
《へくしょんっ!》
「うぅ…風邪ひいたかな?」
噂されてたとも知らずにさっさと給食を食べる後李…。
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