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何はともあれついに放課後…。
「すーいまっせんでしたーー!」
職員室に入るなり二人は大きな声で叫んだ。
「…君達ねぇ、そもそもなんでここに呼ばれたのかわかってるわけ?」
「ですからその節は本当にすーいまっせんでしたーーー!」
「別に私はそんな言葉が聞きたいんじゃなくてね…」
「もうイノセンのことハゲとか鬘とか言わないんで!本当にハゲだなんて噂しないんで!」
「いや、今大声で言っちゃってるからね…職員室中に私がハゲだというのバレちゃったからね…。」
「鬘上等じゃないっすか!もんくある奴はかかってこいやー!」
「いやいや、なんかおかしくなってきてるよ!まずは少し落ち着こう!」
「ハーゲ!ハーゲ!ほら校長も一緒に!ハーゲ!ハーゲ!井上先生はハーーゲ!」
「ちょっとーー!落ち着いてーー!誰かー医者を!医者呼んでーー!」
「ハーゲ!ハーゲ!ふぉっふぉっふぉっ楽しいのぉ~。」
「校長ーーーーー!?」
…その騒ぎから数十分。
事は本当に精神科が来るほどの騒動となった。
「…はい!じゃあ、あなたは誰ですか?」
「…星南中学1年1組の空と…」
「海と…」
「…校長ですじゃ。」
「はいっ!以疲れさまでした。」
『お疲れさまでした…。』
数時間に渡る検査の結果家に帰ることを許された三人…。
そして保健室では検査結果を医師がイノセンに説明していた。
「おそらくあの二人の少年は極度の緊張で一時的に頭が混乱してしまっていたようです。でも、もう心配はないでしょう。」
「ありがとうございます…それで、校長の方は…?」
「残念ですが…」
「そうですか…」
校長はあの騒動の中、広大なお花畑を見たと言う。それはこの世の理想とも言える場所で、まるで天国のようだったそうだ…。
そしてその晩…。
校長はひそかに呼吸を止めた…。
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