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そして時は次の日の夕方になり、現在校長の葬式の真っ最中である。
…ちなみに全校生徒参加。
《チーン…》
「な~む~ほ~れんそ~…」
《ポクポクポク…》
《チーン…》
「まさか昨日の騒ぎの後に(鉄魂が)あんなことになるなんて…。」
どうやら空は昨日最終回を迎えた『鉄魂』について話しているらしい。
「あぁ…でも(校長)にも必ず最期がくる。これはしかたないよ。」
どうやら海は亡くなられた校長について話しているらしい。
「俺さ、すごい大好きだったんだぜ。」
「…空。」
「特にあの剣さばき。すれ違う人をばったばったと斬り倒す姿は今でも忘れられないよ。」
そのおかしな発言に海が少し戸惑う。
「えっ、何だって?」
「だから、次々に人を斬る姿はかっこよかったって。」
「人を斬る!?いやいや犯罪じゃん!てかそれをかっこいいって言ってる空も怖いよ!」
「何言ってんだよ海!架空の人物にそんなに熱くなっちゃって。」
「存在否定しちゃったよ!いやいや、ちゃんと居たよ!今そこに眠ってるよ!」
「海、お前もう少しテレビ控えろよ!頭がヤバいぞ。」
「何言ってんだよ!ヤバいのは空…」
そう言いかけた時、二人の後ろからとてつもない怒鳴り声が聞こえた。
「うるさーい!今は葬式中です!静かにしなさい!」
「う…すいませんです…。」
《チーン…》
「な~む~ぼ~えんきょ~…」
《ポクポクポク…》
《チーン…》
誤解が誤解を呼んだこの騒動。二人は改めて主語の大切さを知るのである。
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