第1章

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「今、そんなことが分かったんですか?」 僕には疑問しかなかった。 「上からの圧力がかけられているんだ。 つまり、結君の事件は警察側が絡んでいる。 1人の警察官として謝らせてくれ!」 馬瀬刑事が、すまないように言った。 「いいですよ。 それよりそれって、九連さんは内密に調べたということですか?」 「あぁ。まあな。」 「そんなことしたら、刑事じゃいられなくなるんじゃ。」 「お前はそんなこと気にするな。」 「で、でも。」 「それでだ。2人を殺したということになり、 明日、裁判が行われるが、懲役30年になるだろう。」 「なんで2人殺したということに? 全部俺の指紋が付いてたんじゃ…」 「それがだな…。 もう一度調べ直すとお前の指紋がついていたのはナイフと弓矢の2つの凶器だけなんだ。 後はその例の新たな容疑者の指紋が見つかった。 ちなみに2人で協力したとは考えにくい。」 「でも、全ての凶器に俺の指紋があったんじゃ…。」 「実はそんな事実はなかった。 俺の知らないうちにこういう事実が隠されてたのさ。 それで、被害者全員と面識があるお前が犯人に仕立て上げられたのさ。 真犯人に、そして、警察に。」 「そうだったんですか。」 「思ったより冷静だな。」 「僕って、懲役30年になるんですよね?」 「ああ、そうだが…。 ってお前、まさか、やる気か。 あの警察が作った狂った裏のゲームを…」 「裏のゲーム?」 「俺たち警察の中ではそう言われているよ。 警察のトップは罪人をそんな簡単に許すはずがない。 どういうことかわかるか。」 「つまり、出所させる気はさらさらない…。 ゲームに勝たさせる気がないということですか!?」 「あぁ。それどころか、悪人、罪人を全員無期懲役にさせようとしている!だから…」 そう言われても、答えはもう出ていた。
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