第1話『中東?東中?どっちもちげーよ!!』

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「なんだこりゃあ。」 しん、と静まり返った世界の中に、 その男の声だけが異様に響いた。 この学校の生徒は60パーセントが不良だ。 しかし、その総勢約230人をまとめる男が存在する。 ―…相変わらずすげえ存在感。 その男こそが、今体育館に入ってきた、俺と同じ第二学年の『中野 千鶴』という男だった。 中野は、一歩一歩体育館に足を踏み入れていく。 「…ひっ!」 校長は足首を翻して逃げ出した。 もちろん始業式は中止となった。 「いやあ、やっぱすげえよ中野さん。」 「校長の顔見たか?」 「見た見た!真っ青だった!」 …こちらも中野が始業式を中止にしてくれるのは非常にありがたい。 まあ、関わりになりたくはないがな。
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