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「なんだこりゃあ。」
しん、と静まり返った世界の中に、
その男の声だけが異様に響いた。
この学校の生徒は60パーセントが不良だ。
しかし、その総勢約230人をまとめる男が存在する。
―…相変わらずすげえ存在感。
その男こそが、今体育館に入ってきた、俺と同じ第二学年の『中野 千鶴』という男だった。
中野は、一歩一歩体育館に足を踏み入れていく。
「…ひっ!」
校長は足首を翻して逃げ出した。
もちろん始業式は中止となった。
「いやあ、やっぱすげえよ中野さん。」
「校長の顔見たか?」
「見た見た!真っ青だった!」
…こちらも中野が始業式を中止にしてくれるのは非常にありがたい。
まあ、関わりになりたくはないがな。
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