520人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだよこれ!!!」
あーあ…
中野は俺の妄想小説を読んで、すっかり顔が真っ赤になっていた。
まあ、確かに恋愛小説かと思って読んだものがホモ恋愛小説だったらそうなるよな。
「くっそ…俺の純情を弄びやがって…」
「いや、別に弄んだつもりはないんだが…」
それにしても、
「お前って…意外に愉快な奴だったんだな。」
学校一恐ろしい不良が、
まさかBL小説を読んだだけで赤くなるような奴だったとは!
いやあ、なんとも面白い。
「なににやにやしてるんだよ!」
俺はなんとなくアキトさんをいじる父さんの気持ちがわかったような気がした。
☆
「お前って、まさかホモなのか?」
おっと、雲行きが怪しくなってきたぞ?
何を勘違いしたのか、中野くんは俺から距離をとっていく。
「違う。俺はあくまでホモを見ることが好きなノーマルだ。」
「それもどうなんだよ…」
中野は呆れたようにため息をついた。
「まあ、いわゆる腐女子の男版、腐男子というやつだよ。」
「腐男子…」
そう、俺は別にホモではない。
普通に女の子に興奮するし、
普通に男自体には興奮しない。
ただ普通に男同士の絡みにハアハアするだけなのだ。
なのに、
「何故距離をとる。」
「いや…普通とるだろ…」
最初のコメントを投稿しよう!