281人が本棚に入れています
本棚に追加
パパの前と私の前とじゃ、最近はかなり態度が違うよ。
「ひろくんに藤堂さんの何がわかるのよ。話したこともないくせに」
「あるよ。だから言ってるんだ。あいつは信用するな」
そういえば藤堂さんと2人で出かけるときについてきて、追い払われたんだっけ。
「私のことは放っておいて。ひろくんは自分の彼女の心配してればいいでしょ」
「は? 何言ってんだよ。彼女なんて……。まだ根に持ってるのかよ」
「ひろくんが誰といようと私には関係ない。だから私が誰といようとひろくんにも関係ないの」
ひろくんのベッドにいた人の顔は忘れちゃったけど、あの事実は絶対に忘れられないんだから。
「俺がどうして……」
「コーヒーはまだかな」
いきなり給湯室の入口に立つパパ。
.
最初のコメントを投稿しよう!