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「おい、大丈夫か」
後ろから傘を差しかけてきたのは、追いついてきた藤堂。
意外と来るの速いじゃないか。
「気を失ってるだけだと思う」
「どうしてこんなところで」
もう少しで屋根のあるところに辿り着くのにって言いたいんだろう。
「雨とあじさいと雷だよ。姫華が公園の前で誘拐されそうになったとき、公園中にあじさいが咲いてて、凄い雷の日だった」
この3つが揃うと姫華は今でも発作を起こして倒れてしまう。
そう簡単に揃うものじゃないけど。
あれからもう10年以上経つのに。
それほど怖い思いをしたんだ。
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