248人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「誘拐はされなかったのか?」
「あぁ、散歩中だった姫華の隣家の犬が跳びかかって助けてくれたらしい」
「隣の犬が?」
「そう、でっかいドーベルマン。姫華が可愛がってたんだ」
「でも、雷雨の中で犬の散歩なんてするか?」
「何か感じてたんじゃないかな。いつもは大人しいのに、あの日に限って散歩に連れて行けってかなり騒いだらしい」
俺もあのときは部活が雨のせいで中止になって、ちょうど姫華に会いに行くところで。
ちょうど通りかかったとき、姫華は救急車に乗せられていくところだった。
隣の犬が助けてくれなかったらと思うと今でもゾッとする。
.
最初のコメントを投稿しよう!