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「してません!」
そこははっきり言っておかないと。
あのとき藤堂さんが電話してこなかったら危なかったけど、していないものはしていない。
「あっそ」
思ったよりあっさりしたリアクションに拍子抜け。
「してたほうがよかったですか?」
「まさか。諦めるのは慣れてるけど、俺にだって心くらいある。何でも平気なわけじゃないよ」
「ごめんなさい」
藤堂さんがどれだけのものを諦めてきたのかはわからない。
だけど私だけでも味方でありたいって思うのは、母性本能? それとも……。
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