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藤堂さんと会う約束をしているから、そこで待ち合わせる予定。
「藤堂さんに選んでもらうっていうのもいいかな」
ひろくんは買い物に付き合ってもらっても面倒くさそうにするだけだけど、
藤堂さんはいろいろアドバイスしてくれるから、いい買い物が出来るかもしれない。
大きく伸びをして空を見上げると、6時を過ぎているというのに青空が広がっていて、まだまだ夜になる気はないらしい。
道行くサラリーマン達が足早にビヤガーデンへと急ぐ後姿を眺めつつ、私の足取りも軽い。
ふいに鳴り出した携帯を見れば、今考えていた藤堂さん。
「もしもし」
『姫華? 仕事終わったけど、もう着いた?」
まだ駅にさえ着いていないのに。
忙しいと言いながら、私と会う日は必ず早々に仕事を切り上げてくれているのだろう。
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