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怒鳴り声で目が覚めた。
「きょうだいは欲しいから貰えるモンじゃねえだろ。物じゃねーんだよ」
「子供に、過ぎた事を説教するな」
驚いたエリックが目を開けば、あのひとと主が、床とソファーとで言い合いをしていた。
大きさに見合わない声量と、主の静かな声音は、ほの暗い部屋で拮抗している。
「子供だからだよ。何でも欲しがりゃ貰えると思ったら大間違いだ!」
「……だからお前は愚かだと言うのだ」
呆れたため息が吐かれ、小さな背中に殺気が宿った。
鋭利で冷えきった視線が交錯する。
部屋の空気まで殺伐と凍らせるようだが、双方譲る様子はない。
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