第1章

2/10
115人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
 魔族と人との交流が始まって、同時に様々な問題が明るみになった。  とりわけ、特に問題視されたのが、 「……満月の夜に、魔族の恋人が発情しすぎて困ります、といった内容が123件ほど」  その書類を読みながら、現魔王のルーズカースは頭を抱えた。  光が触れると同時に水色や淡いピンク色の輝きを滲ませる、煌く銀髪に赤い鮮やかな瞳を持った美しい男性の魔王である。  その力は歴代最強と言われているのだが、現在はその魔力全てを封じられていた。  そんな彼だが、悩んでいる姿は可愛らしさを醸し出しており、そんな所も恋人であるレンヤの欲望をくすぐっている事に、当の本人は全く気づいていなかった。  そこでルーズカースはその書類を見て、ううっと大きく呻いてから、 「そんな事をいっても、まだあれを解く方法が分からないから仕方がないではないか」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!