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「いいよ、我にした事も全部許すから。それでも足りなければ、一緒に償うから。それに、過去は追いかけてくるものだけれど、今、人となったレンヤは、優しくて、強くて……責められるいわれは無い」
「けれど……」
「それを言ってしまえば我だって魔王だ。魔族の王だ。人を苦しめた、魔族の王の血統だ。そんな我をレンヤは責めるのか?」
その言葉にレンヤは少し目を伏せる。
「……もともと、この世界を作ったのは闇の神で、光の神は自分のものにならない闇の神に嫌がらせをするために人間や動物を後から作って入れた。だから魔族ほど強い人間はあまりいないし、けれど、魔族を傷つけることは出来る存在だ。そんな存在だから、一概に魔族が悪いとは言えない」
「だからといってやられても良い、やっても良いというわけではない。……それも含めて、どう考えても子供の喧嘩ではないか」
「俺が言うのもなんだが、年だけ取った子供だ」
「そうか、子供か。うむ、それは良い」
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