それぞれの未来

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「姫華、藤堂さんがいらしたわよ」 ドアの向こうからママの声。 時計を見ると、もうすぐ藤堂さんと約束した時間になろうとしている。 「ママ、今行く。ほら、ひろくんもそんな顔しないで」 「気をつけていけよ」 「うん、ひろくんもね。会場で会いましょう」 2人揃って玄関を出ると、雑誌から飛び出してきたような、いつもよりイケメン度2割り増しの藤堂さんが笑っていた。 もしかして上手くいったのかな? 「おはようございます」 「おはよう、姫華。ハチ公も朝からご苦労様」 「だからハチ公じゃないっつってんだろ」 相変わらずな2人だけど、口元が笑っている。 .
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