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高校１年の夏。
明日から夏休みだと、体育館の壇上で髪の薄い校長がかれこれ20分演説している。
事故のないように、とか。
学生らしい生活を、とか。
誰も聞いていないのに……。
窓は開いているけどエアコンのない体育館はさすがに暑い。
団扇でパタパタと扇ぎながら演説が終わるのを待つ。
「なぁゆうか、今年も花火見に行くだろ？」
「うん、でも出来れば今年は河川敷から見たいな」
「それいいな。じゃあ今年は河川敷にしよう」
毎年花火大会の日は、子供の頃から親父達の会社屋上で花火を見るのが恒例だった。
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