508人が本棚に入れています
本棚に追加
双子なのに一応長男だと言われている俺に、いつも会社を継げって伯父が酔うたびに言うから。
海瑠は何も言えなくなっていることも知っている。
もしかしたら、俺なんかよりも適任かもしれないのに。
「親父達の会社は兄貴に決まってるから」
「だからそれは親父達が勝手に言っているだけだろ。俺は継ぐなんて一言も言っていない」
「それでも兄貴は親父達の期待を裏切らない」
何だよそれ。
確かに子供のいない伯父の力になりたいとは思う。
だけど自分の人生を全てかけられるかと言われたら、まだ高校生の俺にはわからない。
親父達の仕事は面白そうだし、興味だってある。
あんなふうに出来る大人になりたいとも思う。
.
最初のコメントを投稿しよう!