すべてを失った日

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それが会社を継ぐことなのか、別の何かなのか。 もうすぐ決めなくてはいけない時期にきているのも確か。 「あ、ゆうかが手を振っている」 「本当だ。あいつ綿菓子買うんじゃなかったのか」 今りんご飴の列に並んでいるゆうかが楽しそうにこちらに手を振っている。 俺達が真面目な話をしているなんて、全く想像もしていないだろう。 「結局何が言いたいんだよ」 「だから……、親父達の会社は兄貴が継げばいい。その代わり、ゆうかは俺がもらう」 「は? それとこれとは話が別だろ」 会社とゆうかって全くの別物。 まさかそんな取引ありかよ。 .
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