すべてを失った日

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色が戻ってきた俺の目に飛び込んできたのは、両手に食べ物を持ってこちらに歩き始めたゆうかが、急に苦しみだして倒れる姿だった。 思わず何か喋っている海瑠を置き去りにゆうかに駆け寄った。 「ゆうか、大丈夫か」 「お腹、痛い」 お腹を押さえてうずくまるゆうかは立ち上がることも出来ない。 「今救急車呼ぶから」 何事かと集まる野次馬を威嚇しつつ、抱きかかえて移動。 「どうしたんだよ急に」 「わかん、ない」 突然のことにパニックになりながらも何とか救急車を呼んだ。 呆然としている海瑠に蹴りを入れて、救急車を誘導させる。 .
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