すべてを失った日

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「お前が乗っていけ」 「え、でも兄貴……」 「いいから。すみません、この子佐伯総合病院に運んでください」 「えっ、どうして」 運ぶ病院を探している救急隊にそう言ったらかなり驚かれた。 ただの高校生が病院を指定するなんて普通じゃ考えられないからな。 だけど佐伯総合病院は母さんの親友の一家が経営していて、何かあればいつもそこに行くことになっている。 もちろんゆうかもずっと風邪を引くたびに通っているし。 だから電話しておけば問題ない。 「副院長と知り合いなんです。先生に電話しておきますから」 .
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