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「俺、藤堂海里っていいます。佐伯ゆきなの親父さんお願いします」
『藤堂さんですか。副院長ですね、少々お待ちください』
藤堂の名前が知れ渡っていて本当に助かった。
それとゆきなが幼馴染でよかった。
ゆきなの存在に救われるときが来るとは思ってもみなかったけど。
あのままだといたずら電話だと思われていたかもしれない。
眠くなりそうなオルゴールの音を少し聞いていると、途切れた途端に電話の向こうから安心させてくれる穏やかな声が聞こえた。
『お電話代わりました。海里くんだね。どうした』
「先生、俺の友達が凄い腹痛で、救急車で向かってます。海瑠もついていってますから診てやってください」
『わかった。任せておきなさい』
「よろしくお願いします」
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