すべてを失った日

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    * * * * * * * * ドタドタと大きな足音で目を覚ますと、勢いよく部屋のドアが開いた。 「こんなところで何やっているんだよ」 「あぁ、海瑠か」 自分の部屋で寝ていて文句を言われる理由が、寝起きの頭では思い当たらない。 「『あぁ、海瑠か』じゃないだろ。なんで病院に来ないんだよ」 そういえばゆうかが救急車で運ばれたんだっけ。 「ゆうかはどうなった?」 「虫垂炎だってさ。手術してしばらく入院することになった。親父達もみんな来たのに、寝てるとかわけがわかんねぇ」 虫垂炎か……。 大病じゃなくてよかった。 .
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