すべてを失った日

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「だから、そうじゃなくて……。くそっ」 しばらくしてドアの閉まる音が聞こえた。 諦めて出て行ったんだろう。 何か言いかけていたような気もするけど、今の俺には人の話を聞く余裕はない。 記念すべき初恋を失った日なんだから。 しかも彼女の相手は俺の弟。 あいつなら納得だけど、あいつだから辛いのも事実。 あいつは会社を継ぐ夢を諦めてゆうかを手に入れた。 俺はゆうかを諦めて、会社を継ぐのか。 夢はどうする。 子供の頃からの夢。 .
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