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見合いの朝、いつもより早く起きてシャワーを浴び、腰にタオルを巻いたままクローゼットを開けた。
似たようなスーツの中から今日着ていくものを選ぶ。
鏡の前でネクタイをあわせてみてもなんとなくしっくりこない。
「こっちか、いやこれか……」
いつもなら3秒で決まるネクタイがもう10分も経つのに決まらない。
「緊張してるのか、俺らしくないな」
結局1番最初に手に取ったネクタイを締めていくことにした。
たかが見合い。
相手もお互いの立場をわかって来るんだ。
あの若さなのに可哀相だけど、生まれた境遇を恨んでもらうしかないな。
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