天使を捕まえた日

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しばらくあちこちドライブしながらお互いのことを話した。 結局姫華も俺と似たような状態で、親の言いなりになって受けた見合いだった。 だけど俺と違うところは、姫華には想う相手がいて、間違いなく相手も姫華を想っているということ。 2人の気持ちは今のところ通じてはいないようだけど。 それにあれだけわかりやすい2人に気づいているはずの神宮寺社長が、俺と見合いをさせるということは、2人のことを良く思っていないということなのかもしれない。 それとも何か思惑でもあるのか。 2人の邪魔をしたいわけじゃないが、キューピットになってやる必要もない。 あの男が自分で何とかしなければいけないことだ。 もし何も出来ずにこのまま指をくわえて見ているなら、それまでの男だということ。 どこか自分を見ているような気がするのは、この際気のせいだということにしよう。 姫華が彼を諦めて、俺と結婚すると言うならそれも悪くない。 .
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