474人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
どちらにしてもいい年した男が、付き合った別れたと母親にわざわざ説明しているはずもないか。
俺だって母さんに恋人の話をしたことはないし、会わせたことももちろんない。
「ゆうかちゃんが、海里にありがとうって言ってたわよ」
「そうか……」
一応俺が病院に連れて行ったことはちゃんと覚えているんだな。
「本当は直接言いたかったんじゃないかな」
「仕方がないだろ、残業だったんだから。なぁ、親父」
都合が悪くなって親父に話を振った。
「それじゃあ行くか」
親父も都合が悪かったらしい。
「2人とも都合が悪くなるとすぐはぐらかすんだから」
「いってきます」
「気をつけてね」
ご立腹の母さんに見送られて車に乗り込んだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!