260人が本棚に入れています
本棚に追加
「もうあの彼女のことはいいのか。弟の彼女だっけ」
「あれ、嘘だったんです。だから今悩み中です」
海瑠が冗談で言ったことが、ネタ晴らしされずに今まで来ただけ。
聞く耳を持たなかった俺も悪い。
「何を悩むことがあるんだよ。チャンスじゃないか」
チャンスって、そんなに簡単に割り切れることじゃないんだけど。
「彼女に気を使わせないように家を出るくらい、大事に想ってきたんだろ。弟と別れたあとってわけじゃないんだし、付き合っていたのが嘘だったんなら問題ないんじゃないのか」
「そうかもしれないけど、今更でしょ」
海瑠が今でもゆうかは俺を想っていると言っていたけど、本人から聞いたわけじゃないし、もうとっくに忘れているかもしれない。
.
最初のコメントを投稿しよう!