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翌日仕事帰りにジュエリーショップに向かう。
婚約指輪は買わないけど、その代わりになりそうなものを探すつもりで。
「では、お包みしてまいります」
「はい」
何かを買ったらしい男の前で、店員の女性がうやうやしく頭を下げてカウンターの奥に下がっていった。
「あれ、藤井くんじゃないか」
「うわっ。藤堂、さん」
あ、呼び捨てしようとしたな。
「何買ったの?」
「え、いや、ちょっと」
なんで隠す必要があるんだよ。
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