心が晴れた日

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「してませんよ。もったいないくらい美人な奥さんもらって、鼻の下伸ばしてるなんて思ってませんし」 「お前なぁ……」 「娘さんが奥さん似でよかったなんて全然思ってません」 あの天使みたいな赤ん坊がこの人の遺伝子を受け継いでいるとは思えない。 「いや、それは俺が思ってる。俺じゃなくて嫁さん似でよかったよ」 相変わらず無精髭を生やしていて、寝癖と緩んだネクタイ。 だけど取引先の受けは驚くほどいい。 受付一の美人と結婚するって聞いたときは会社中が大騒ぎだった。 なのに母さんだけは、彼女は見る目があるんだって言っていたっけ。 確かに成績はいいみたいだけど、俺の理想とするタイプではない。 親父や伯父さんとは正反対の人間。 ただ、1人の男としては尊敬している。 .
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