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「で、お前は俺にケンカを売りに来たのか」
つい懐かしくて本題を忘れてつまらない話をしてしまった。
「違いますよ。社内一の美人な奥さんをモノにした大木さんに、女性が喜ぶプレゼントを相談に来たんですよ」
さっきまでちょっと拗ねた顔していたのに、奥さんが美人だと褒めると途端に頬が緩む。
わかりやすい人だ。
「プレゼントねぇ。そんなのしたことないな」
「は? 何もなしであの奥さん捕まえたって、どんな弱み握ってたんですか」
「弱みって、人聞き悪いなぁ。あれはあっちが俺に惚れたんだからしょうがないだろ」
社内では大木さんが結婚してくれなきゃ死ぬって威したとか、スターカー並みに口説き続けたとか、その他たくさん噂が広がっていたのに。
「大木さんのどこの惚れたんだろう。全く理解できない」
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