続きの始まりの日

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そっか、俺たちが結婚しないってことをみんな知っているなんて思ってもみないんだろうな。 姫華には何も話してなかったから。 俺がゆうかに想いを伝えるように背中を押してくれたのは姫華だけど、彼女だけじゃなかった。 10年前からいつか渡すことを願ってプレゼントを捨てずに残しておいてくれた母さんだってそうだ。 ときどき部屋に来ては世間話のついでのようにゆうかの近況を教えてくれて。 見合いの日にうちにいたのはさすがに効いた。 そんな策略を親父が知らないはずはない。 もちろん海瑠だって同じようなことを企んでいたわけだし。 みんなある意味共犯者。 説明すると長くなるし、言葉よりも態度で示そうと海瑠と入れ替わり、ゆうかの横に立ちそっと肩を抱いた。 驚いて頬を赤くしたゆうかに微笑んで。 .
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