教室で…

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サヤカは 「しかたねーなー」という感じで  種嶋に近づいた 「アキラ もうやめとけよ   愛里が勘違いされてるじゃねーか」 「いや これはケジメだ そうじゃねーと   オレの気がすまねぇ!」 「だから 誰もいないところで やりゃーいいだろ   わざわざここでやんなよ」 話しを聞いているだけなら 完全に不良の話し方なのだが  こころの 中身は決してそうではない このふたりは 祐吾と愛里には言っていないが  サヤカと種嶋 お互いの想いは 通じ合ったのだ あの花火を 愛里が打ち上げた日に ふたりとも 愛里と祐吾には感謝しているのだ 種嶋とサヤカは ちょっとだけ ガラが悪いだけなのだ 「愛里さん いや 愛里様   本当にありがとうございます!!」 種嶋はしつこかった 「これからは 姐さんと呼ばせていただきます!!」 種嶋の あまりのしつこさと 『姐さん』という そっち系の言葉に  愛里が異常に反応した 愛里から 表情が消えた 感情をなくした まるで 人形のような目だ それは 悪逆非道の そのスジの目にも似ている 愛里から なにか 禍々しいものが出てきた 霧のような どす黒い なにかだ そして 起伏のない声で  ゆっくりと こう発したのだ 「それ無理 絶対無理」 『ピッキィーーーーーーーーーーーンッ!!』
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