下校途中…

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下校途中…

「愛里さん ゴメン オレがしつこくしたばっかりに   オレたちは愛里さんのことは よくわかってるから」 種嶋が 励ましてくれたが 祐吾はまだ 固まっていた そして クラスメイトの半数以上も 固まったまま 下校している (祐吾! あぁ! どうしたらいいの?) サヤカがいった 「祐吾は なんとか眼を覚まさせるから 安心しな」 「うん そうだね お願いサヤカ」 サヤカは なんとか 自我を取り戻していた 愛里は 全く元気が出なかった もし今 愛里が祐吾に触れたら 何かが壊れる様で怖かった だから この帰り道まで 祐吾の顔を見なかった と その時! 「はっ!」 と 祐吾が軽く叫んだ 愛里は思わず 祐吾に駆け寄った 祐吾の目の前に立った 「祐吾 大丈夫? ごめんね ごめんね…」 愛里は 泣き出してしまった 祐吾はゆっくりと言った 「あれ?なんだ?もう下校か?授業終わったのか?」 そして 泣いている愛里を見て  愛里の両肩に手を乗せ 叫んだ! 「愛里!どうしたんだ!何で泣いてるんだ!」 祐吾は あの一瞬の記憶を忘れていたのだ 恐怖による 一時的な記憶喪失のようだった 「祐吾ぉー!えぇーーーーん!」 愛里は泣きながら 祐吾に抱きついた 祐吾は 何がなんだかわからなかったが  軽く愛里を抱きしめた
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