翌日の教室で…

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翌日の教室で…

愛里は 恐る恐る 教室に入ってきた そして できる限りやさしく いつもの 5割り増しの つくり笑顔で 「みんな おはよう」 といった そうすると クラスのみんなが 「結城 元気ないな?どうしたんだ?」 と 聞いてきたのだ (え?まさか みんなも記憶がないの?) その通りだった みんな あの一瞬の記憶が消えていたのだ しかし あの時 自我を保てたものは 記憶があった 愛里が近づくと 震え出すのでよくわかったのだ (あーん 困っちゃったな どーしよー) 愛里のうわさが流れた この学校に 【鬼が出た】 と 愛里は 『ゴーゴン結城』という ふたつ名がついた (全っ然っ!うれしくなぁーーーい!) (みんなになにか お詫びをしなきゃ   そうよ!名誉返上よ!汚名挽回よ!) 名誉は挽回して 汚名は返上した方が いいと思う しかし 汚名挽回は それはそれで 間違いではないらしい 愛里は 少し 錯乱しているようだった 三人が登校してきた サヤカ 種嶋 祐吾 である 「みんな!おはよー!」 この三人のうちふたりは 恐怖はあるものの 愛里のことが よくわかっているので  何とか恐怖を出さないで 済んでいる 「愛里 おはよう」 (あぁ!今日もステキよ!祐吾!) 「おはよう 祐吾」 (あぁーーー!ちゃんとあいさつ できたわぁーー!) 愛里は相変わらず 祐吾にメロメロだった サヤカが いつものようにいった 「なんだ愛里 ちょっと元気がねーんじゃねーか?」 「うん それがね」 愛里は 登校してからの みんなの様子を話した  「そうか なんとかしてーなー アキラおめーも考えろよ!」 「当然だ!愛里さんのために なんとかしやしょう!」 完全に話し言葉だけは アブナイ人たちである 祐吾が 三人のそばにやってきた 「なに?何の相談?」 普段 祐吾から 話しかけることはないのだが この時の異様な雰囲気に 質問しないわけには いかなかったようだ
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