第1章 バイオハザード

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「はぁ…疲れたぁぁぁ……」 家賃1万円が打倒そうなボロアパートに、中年のおじさんが帰宅する。 二階にある自室への階段を上がる姿は、まるで死霊の様で、肩を落としふらふらとした足取りだ。 「はぁ……。」 ため息を深くつき、自室の鍵を開け中に入る姿は、同情する余地もないほどやつれきっていた。 「ただいまぁ……」 誰もいない事は分かっている。 だが、言わずにいられないのが、一人暮らしのサガ。 おかえりなさい。と言ってくれる人がいるものなら、それは最大の贅沢だと自負している。 「おかえりなさい。あなた。」 「あぁ……ただい……まぁ!?」 部屋から出てきたのは、大きなトランクを持った、自分より年下と思える女性。 肩まであるウェーブがかった栗色のロングヘアをなびかせ、笑顔で出迎えてきた。 「えっ?だれ?」 それが第一声になるのは、当たり前のこと。 見ず知らずの女性がいきなり現れ、新婚の嫁の様にあなたっと出迎えてくれたのだ。 ぽかーんと口を開け、立ち尽くす姿に、女性ははっとし、三つ指を立て土下座しはじめた。 「おかえりなさいませ。旦那様。」 「いやいやいや……。 そうでなくて! 君、誰なの!? なんでうちにいるわけ!!?」
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