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「えっ………。
私がお邪魔ですか?」
寂しげな表情を浮かべる彼女に訳がわからなくなってきた。
「いや!?なんか悪気はしないけどねっ!!?
俺は貴方の素性知らないでしょ?」
「あぁ…。」
彼女は手をぽんと叩き、フリル付きエプロンのポケットから紙を一枚取り出し見せてきた。
「ほらっ!これですよー。
おめでとうございます!
当選ですよ!」
「と…当選?」
彼女から受け取った紙には見覚えがある。
それは、半年前に応募した俺嫁コンテストのポスター。
当選者には、一億円の賞金と嫁を進呈!と言う文字と、イラストが描かれている。
「えっ?えーっ!?」
嫁を進呈って、このポスターだけを見れば、フィギュアが付いてくる様に思える。
だが、付いてきたのは、人間!
これに驚かない理由はない。
「ちょっ。人間が副賞とか!
犯罪の匂いしかしないんだけど!」
「人間?あぁ…私は人間ではありませんよ?
バイオロイドです。」
「バイオ……ロイド?」
よくわからない語源が出てきた。
〝バイオロイドってなん?〟
彼女は、不思議そうな表情で見つめる俺に近づき、上目遣いで肯定する。
「そう。バイオロイドです。あなた。
生体的には人間と一緒なんですが、私にはお母さんやお父さんが存在しません。」
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