第1章 バイオハザード

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「えっ………。 私がお邪魔ですか?」 寂しげな表情を浮かべる彼女に訳がわからなくなってきた。 「いや!?なんか悪気はしないけどねっ!!? 俺は貴方の素性知らないでしょ?」 「あぁ…。」 彼女は手をぽんと叩き、フリル付きエプロンのポケットから紙を一枚取り出し見せてきた。 「ほらっ!これですよー。 おめでとうございます! 当選ですよ!」 「と…当選?」 彼女から受け取った紙には見覚えがある。 それは、半年前に応募した俺嫁コンテストのポスター。 当選者には、一億円の賞金と嫁を進呈!と言う文字と、イラストが描かれている。 「えっ?えーっ!?」 嫁を進呈って、このポスターだけを見れば、フィギュアが付いてくる様に思える。 だが、付いてきたのは、人間! これに驚かない理由はない。 「ちょっ。人間が副賞とか! 犯罪の匂いしかしないんだけど!」 「人間?あぁ…私は人間ではありませんよ? バイオロイドです。」 「バイオ……ロイド?」 よくわからない語源が出てきた。 〝バイオロイドってなん?〟 彼女は、不思議そうな表情で見つめる俺に近づき、上目遣いで肯定する。 「そう。バイオロイドです。あなた。 生体的には人間と一緒なんですが、私にはお母さんやお父さんが存在しません。」
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