ありえない同期(続き)

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好きだけど? その言葉に少しだけ引っかかったけど、 そんな言葉、軽く使うくらい森川くんは軽いんだった。 「森川くんに好かれても全然嬉しくないけど、 明日はもう、メガネは、いらないかな……」 朝は、目立っていた目の腫れは、 今はもう引いている。 そして、今はなぜか妙に晴れやかな気分で。 いつの間にか、私の心の隙間も少しふさがっている。 「可愛くねーな。 ま、俺も田口に好かれようとは思ってねーし」 いつものイヤミな口調に、ムっとするけど、 言い返さず、パスタの横にちょこんと乗った小さなフライを口に入れた。 なんのフライだろう?と思ってたけど、これ、カマンベールチーズだ。 「美味しい!」 食べた途端、ムっとしたことなんて忘れちゃうくらいテンションが上がった。
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