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お店をお手伝いするようになって初めての週末になった。
オフィス街の片隅にあるこのお店は
土日はそれほど混むこともないらしく、
お手伝いには、来なくてもいいと言われたのだけど、
何の予定もない週末を、何もしないで過ごす方が、今は怖い。
金曜の夜。
その日も仕事が、7時前には終わり、
会社からまっすぐここに来て、お手伝いをしていた。
「ね。ひかりさん。
明日も、お手伝いに来ていいですか?」
今日の賄いの、ラザーニャを食べながらひかりさんと話をする。
またしても、感動の味わいに、舌鼓を打ちながら。
「明日は土曜だし。
わざわざこっちまで出て来てもらうのも申し訳ないし、大丈夫よ」
「そっか……。じゃあ食べにだけ、来ようかな」
独り言のように呟くと、ひかりさんは驚いたような声を上げた。
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