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確かに、私がここでお手伝いを始めてから一週間。
森川くんは、2回、顔を出した。
森川くんは、私と違って、仕事が定時に終わることなんてなくて、
一度は9時過ぎ、
もう一度は11時の閉店間際になってから、
ふらりと立ち寄った。
普段から、ここに入り浸ってるのかと思っていたけど、
そうじゃないんだ。
個人的な連絡先すら知らないし、お互いの予定を話す間柄でもないし。
会社で顔を合わせることはあったとしても、大した話をするわけでもない。
「優奈ちゃんに会いたくて来てるのかと思ってた」
「それは、ありえません」
きっぱりと言い切ると、ひかりさんは、小さく笑った。
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