カジュアルイタリアンバー 「ボスコ・フルーメ」

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今日ももう10時半を回っているし、来ないんだろうな。 だけど、さっきから入口ドア付近を気にしてしまう自分がいる。 ひかりさんがそんなことを言うからだ。 そう思っていたら、カランカランと心地のいい音とともに、 入口のドアが開かれた。 来た。 体が少しだけ緊張する。 「お。達己。今日はもう手伝いはいいぞ」 正己さんが、カウンター越しに森川くんに声をかけると、少し口を尖らせて反論した。 「今日は、客。ちゃんと、金払うよ」 森川くんが店の中に入ってくると、後ろから、もう一人顔を出す。 「わ。すごい素敵なお店ですね!こんばんは」 一緒に入ってきたのは、見たことない女の人だった。 ひかりさんや正己さんに向かってちゃんと頭を下げるところを見ると、お兄さんのお店だって知らされてるって所かな。 ふぅん……。
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