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「あ。すいません。
美味しくて、つい……。
お金……払います!」
「それは、いいのよ。
今週ずっと頑張ってくれたのに、これじゃ足りないくらいだし。
だけど……大丈夫……?」
大丈夫?の意味が一瞬分からなかった。
体の中にアルコールがほどよく回って、
ドクンドクンと自分の脈の音が聞こえる。
もしかしたら顔が赤いのかもしれない。
「はい。全然」
私はすぐにイスから立ち上がってみた。
少し体がフワフワしている感じはするけれど、
立てないほどでも、歩けないほどでもない。
「達己くんいたら、送ってもらうところだけど……
一人で大丈夫?」
そうだった。
少し前、森川くんは、美女に腕を組まれながら店を出て行ったっけ。
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