ありえない同期(続き)

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アルコールは、元々あんまり強くないし、 今は飲みたい気分でもない。 「あ、じゃあ、コーラをお願いします」 私が注文したとき、 店の奥に引っ込んでいた森川くんが、カウンターの中に現れた。 「田口、悠長に注文とかしてんじゃねーよ」 「森川くん……」 森川くんは、イケメン男性と同じ、白いシャツに黒いソムリエエプロンを巻いた格好で。 いつのまにか、シェーカーを手に持っている。 不機嫌そうにぶすっとしたまま、 シェイカーに、ドリンクを注いでいるけど、 普段のスーツ姿よりも、数倍かっこよく見える。 そういえば、カウンターの中のイケメン男性と森川くんは、 どことなく似てるかもしれない。 「もしかして、兄弟だったり?」 ポツリと呟くと、 私の横に居たフロアの女性が笑った。
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